可憐な砂嵐

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オレは砂漠をさまよった挙句、遂に倒れてしまった。
ボロボロの古文書をポケットから出し読み返した。
ここA砂漠には全身が砂で出来た伝説の踊り子がおり、それはそれは世にも美しい踊りを舞うそうだ。
オレはダンサーでその踊りを心に焼き付けるためにここまで来たのだ。
ふと空を見上げると竜のような物が飛んでいた。
砂埃が空を舞って何処かへ流れているようだ。
オレは最後の力を振り絞りそれを辿って行くとオアシスに着くことが出来た。
大喜びで水を飲んでいると誰かの気配を感じた。
草むらから覗くとそこには1人の女性がいた。
よーく目を凝らして見ると先ほどの砂埃が降り注ぎ、くるくると小さなつむじ風のように踊っているではないか。
そうか、彼女が砂嵐の妖精だったのか!
ワッと風が吹き、踊りはクライマックスを迎えた。
オレは一瞬で涙が頬を伝った。
目に入った砂を洗い終わる頃には彼女の姿は影も形も無くなっていた。
ファンタジー
公開:19/10/17 00:05
更新:19/10/17 11:14

林 孝光( 東京 )

普段は四コマ漫画を描いたり、イラストを描いて遊んでいます。

ショートショートは中学生の時に筒井康隆先生に出会って衝撃を受けて、星新一先生、藤子F不二雄先生と手を伸ばして読み漁り自分なりに執筆をしていました。

よろしくお願いします❣️

ショートショートの漫画も執筆しています。

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