亀虫和也殺虫事件

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「被害者は亀虫和也。死骸に損傷はなく、完全な密室です」
『密室殺虫か。臭うな』
「カメムシですからねぇ」
『世の中には、あえて悪臭を嗅ぎたいという奴らもいる。亀虫和也の臭いはスメラーにはたまらないらしい』
「臭イドル界のトップ!先日の悪臭会も大変な人だったらしいですね」
『一方で、亀虫はスメルハラスメントで近隣の住人に訴えられていた』
「昨夜は風が強かったから苦情も…」
『わかったぞ!亀虫は臭いが流れて苦情が出ることを恐れ、窓とドアをしっかり施錠した』
「部屋は防臭工事がされていました」
『カメムシの習性から、何かに驚いて屁をこいたんだろう。普段ならすぐに窓を開けたはず。だが風が強く、臭いが流れるのを恐れ窓を開けなかった。カメムシは自分の臭いで死ぬことがある。苦しくなった亀虫は、仲間に危険を知らせる為に再度臭いを放ち…』
「その最後っ屁で」
『見ろ』
その死に顔は、困ったように笑っていた。
その他
公開:19/10/16 21:43
更新:19/10/19 11:02
虫シリーズ カメムシ

むう( 地獄 )

人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。

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