恋は人生に必要なものである

恋は人生に必要なものであると誰かが言った。
食事や睡眠と違って、恋はしなければ死ぬものではない。恋は人生に必要な物？それは絶対ではないだろう。
勿論、人口問題の類から見れば必要なことだ。しかしそれは私以外の誰かがやってくれる。少なくとも私には恋など必要なかった。

だが、その考えは砕け散った。私は恋をした。モノクロの世界が一瞬にして色鮮やかになった。
恋をすると世界が変わると誰かが言った。
あれは本当だった！私はこの世の春も同然と恋を謳歌した。
しかし、そんな恋にも別れは訪れる。
それで恋が必要ないと言っていた私に戻ることが出来ればよかった。しかし、世界の色を知ってしまった私にはもうモノクロの世界は耐えられない！
だから私は恋をする。一つの恋だから駄目なんだ！もっと！もっと多くの恋をすれば色は失われることはない！

私は多くの恋をした。多くの色を知った。いつしか私は色ボケしてしまっていた。