しゅわしゅわ

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俺の親は厳格な人だった。いい成績を取れ、いい学校を目指せ、いい企業に入れ。そう言っては俺を勉強漬けにした。
そのおかげもあって俺はいい成績で、いい学校に入り、いい企業に就職することが出来た。
俺も親となった今、俺の親の気持ちがよく分かる。感謝すらしている。親は俺が苦労しない生活を送れるように夢を託したのだ。
俺もまた、息子に厳しくしている。今は塾の帰りだ。
手を繋いで帰っていると息子が足を止めた。視線の先には炭酸ヒーローと書かれたジュースが売ってある。確か炭酸飲料を飲んで変身するヒーローだ。
俺はそれを買って息子と一緒に飲んだ。しゅわしゅわ弾ける炭酸が気持ちいい。
「パパ。僕、ヒーローになりたい」
息子の一言に俺は微笑んだ。おお、なってみろ!
俺は勉強は出来たがヒーローにはなれなかった。
息子がヒーローになりたいと言うのなら、俺はそれを全力で応援する。
俺だって子に夢を託してもいいだろう?
公開:19/10/14 18:34

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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