水色探し

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珍しく4時間授業だった日の帰り道。
「お前って水色好きなんだな」
卓司の突然の投げかけに驚いた。
「そうでもないよ。なんだよ急に」
慌てて僕はそう答えた。
家に帰っても卓司の言葉が頭から離れることはなかった。

翌日、数学で一次関数の授業を受けていた。
「今日は水色のシャーペン使ってないの?」
鈴を鳴らしたような涼しげな声で話しかけてきた。
先週、席替えでとなりになった加藤栞だった。
「うん……」
咄嗟に答えていた。

そういえば、先週も彼女と同じような会話をしていた。
『水色のシャーペン使ってるだね。私と一緒だ』
そんなことを思い出していたら1時間目が終わっていた。

休み時間が終わる直前。
「お前やっぱ水色好きだろ」
卓司が得意げな顔で聞いてきた。
「悪りぃかよ。」
僕は呟くように答えた。
「……いや、別に」
と言って卓司は自分の席に戻っていった。
青春
公開:19/10/15 03:39
更新:19/10/15 03:50

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