6
26
抽斗を整理していたら、知らないケーブルが一本突っ込まれていた。
これ、何のケーブルだっけ? スマホでもないポータブルプレーヤーでもない。でも何か大事なものを繋ぐケーブルだったと思うんだけど。
我が家では、こういうのは僕より妻の方が詳しい。訊いてみることにした。
「ああ、これね」
妻はうんざりとした顔で、そのケーブルを僕の後ろ頭に持っていき、盆の窪あたりに端子を突き刺した。そしてもう一方を僕のノートパソコンに接続した。
その瞬間、すべてを思い出した。ああ、そうだったな。
「もう、そんな大事なことまでハードディスクに移さないでよ。ドジね」
「悪い悪い。頭をすっきりさせたくてさ」
頭を掻きながら指先でケーブルを抜き取る。そして妻が後ろを向いたところを見計らって、そのケーブルを首に巻きつけた。
君が悪いんだ。せっかく脳の外に吸い出しておいた君への殺意を戻しちゃったんだからな。
これ、何のケーブルだっけ? スマホでもないポータブルプレーヤーでもない。でも何か大事なものを繋ぐケーブルだったと思うんだけど。
我が家では、こういうのは僕より妻の方が詳しい。訊いてみることにした。
「ああ、これね」
妻はうんざりとした顔で、そのケーブルを僕の後ろ頭に持っていき、盆の窪あたりに端子を突き刺した。そしてもう一方を僕のノートパソコンに接続した。
その瞬間、すべてを思い出した。ああ、そうだったな。
「もう、そんな大事なことまでハードディスクに移さないでよ。ドジね」
「悪い悪い。頭をすっきりさせたくてさ」
頭を掻きながら指先でケーブルを抜き取る。そして妻が後ろを向いたところを見計らって、そのケーブルを首に巻きつけた。
君が悪いんだ。せっかく脳の外に吸い出しておいた君への殺意を戻しちゃったんだからな。
その他
公開:19/10/12 15:06
ログインするとコメントを投稿できます