節目の名所

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日本には「節目の名所」があるのを知っているかい。
京都は男山に鎮座する岩清水八幡宮がそうさ。
いやいや、単なる観光名所ではないよ。ここの境内に生えていた真竹がその由縁さ。
竹は、節目をつくることで強くなり、ぐんぐん生長する植物で、人生をこの竹の節目に喩え、さまざまな場面での区切りや転機を節目というようになったのさ。
実は、石清水八幡宮が節目の名所である理由はほかにもあるんだよ。
発明王で有名なエジソンは、白熱電球の寿命を飛躍的に延ばすフィラメントの素材を探していた。電気を通しにくい物に無理やり電気を流すと、その部分が熱を出して光る。そこでエジソンは、何千回も実験をして、日本で育った竹が焼けにくく、光るのに一番いいと気づいたんだ。そして発見したのがここの真竹なのさ。
石清水八幡宮の真竹は、白熱電球を実用化させて世界の夜に光を灯した。この画期的な出来事は、電気の利用にとっても節目だったのさ。
その他
公開:19/10/11 18:50
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SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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