七節の目

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私は自然の風景が好きだ。
特に風に揺れる景色が好きだ。
揺れる木の葉、揺れる木の枝。
今日も私はそれを観ていた。
しかし、どこか違和感がある。
原因を探そうと注意深く視る。
すると、不自然に揺れている枝があった。
ゆら…………ゆらり…………
一拍遅れて揺れている。
他の枝を追いかけるように揺れている。
その枝をじっと見つめる。
ゆら……ゆらら……
枝の揺れが速くなった気がする。
他の枝が揺れたら、その枝もすぐに揺れる。
でも、揺れ自体も速くなっている。
そのせいで違和感は消えない。
さらに、じっと見つめる。
ゆら……
目を逸らされた気がした。
ゆらゆら……
見ないでくれと目で訴えられた気がした。
周囲に馴染もうと頑張っている。
まるで、新入生や新入社員みたいだ。
違和感があっても不自然だとしても、これも自然の一部なのだろう。
生暖かい目で見守ろうと、私はそっと枝から離れた。
その他
公開:19/10/10 20:01

かみゅ( 不思議の国 )

夜な夜な小説書いてます。
感想をくれると嬉しいです。

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