警察ロケットペンダント

高齢者を狙った犯罪は日夜、凶暴化していた。

その防犯対策として、高齢者たちは防犯ロケットペンダントを持ち歩くことにしていた。そのペンダントとは、強盗に襲われたとき、ペンダントのボタンを押すと、付近にいる警察が、ロケットのように速く現場へ駆けつけるシステムになっていた。

その夜。あのロケットペンダントをしていない老人が、歩いていた。
「いいカモだぜ」
物陰に隠れていた強盗は、ペンダントをしていない老人を狙っていた。

男は老人の前に現れ、ナイフをチラつかせた。
「さぁ大人しく金を渡すんだ」
老人は持っていた手提げのバッグを渡した。刹那、男の手首を掴み上げ、ナイフを奪った。
「相手が悪かったな」
男はロケットのように投げ飛ばされ、気を失った。
「まだまだペンダントは必要ねぇからな」
元刑事の老人は、男を交番に突き出した。

翌日、警察から感謝状と謝礼の、防犯ロケットペンダントが贈られた。