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20年目の結婚記念日の朝。目覚めると隣に妻がいなかった。いつの間に起きたのかと思った時、サイドテーブルに置いていたスマホが音をたてた。懐かしい16和音のメロディー。結婚前、妻からの着信音に設定していたヒット曲の着メロだった。いや、僕が設定したのではない。妻が僕の携帯を奪って勝手にその曲を設定したのだ。
ずっと君と生きてくんだね
サビの歌詞を電話に出るたびに思い出した。僕はひょっとしたら妻にマインドコントロールされたのかもしれない。その頃から僕は妻の掌の上だった。
画面には妻の旧姓が表示されていた。
まさか、過去からの電話?
画面をタップすると、妻の弾んだ声が聞こえた。
「おはよう。20年前の由佳だよ」
「ほ、ほんとに?」
「うっそ〜。サプライズ大成功〜♪」
「また僕のスマホ触ったな」
「結婚記念日だから許して」
「いいけどさ。由佳、今までありがとう。これからもよろしく」
「こちらこそ」
ずっと君と生きてくんだね
サビの歌詞を電話に出るたびに思い出した。僕はひょっとしたら妻にマインドコントロールされたのかもしれない。その頃から僕は妻の掌の上だった。
画面には妻の旧姓が表示されていた。
まさか、過去からの電話?
画面をタップすると、妻の弾んだ声が聞こえた。
「おはよう。20年前の由佳だよ」
「ほ、ほんとに?」
「うっそ〜。サプライズ大成功〜♪」
「また僕のスマホ触ったな」
「結婚記念日だから許して」
「いいけどさ。由佳、今までありがとう。これからもよろしく」
「こちらこそ」
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公開:19/10/10 11:45
更新:19/12/31 08:20
更新:19/12/31 08:20
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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