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「千本鳥居に行くんなら、鳥居の縫いぐるみが欲しいな」と妹に頼まれていた。
妹には色々迷惑かけたので、是非、希望に沿いたいのだけど、売っているのはキーホルダーや、木工玩具ばかりだ。
「これ、糊付けした派手なジェンガみたいだな」
と、彼ったら探す気ゼロ。
「もぉ。真剣に探してよ!」
って、彼をポカリとやろうしたら、拳にフワリと何かが触れた。
あ! 縫いぐるみ発見!
大きすぎて気がつかなかったなぁー。店の真ん中にどーんとスケール1/1。お値段7,800円。
「こ、これください!」
「本気かよ……」
唖然とする彼を尻目に、店員さんが奥からプチプチ梱包済みのものをさっと持ってきて、持ち手を二つつけてくれた。
「またおこしやす」
「ほら、いくぞ」
私の彼、私が持ち手を掴む前に一人で鳥居を背負って歩きだした。
「イエス=キリストみたい」
「色々違うぞ」
京都旅行は始まったばかりだ。
妹には色々迷惑かけたので、是非、希望に沿いたいのだけど、売っているのはキーホルダーや、木工玩具ばかりだ。
「これ、糊付けした派手なジェンガみたいだな」
と、彼ったら探す気ゼロ。
「もぉ。真剣に探してよ!」
って、彼をポカリとやろうしたら、拳にフワリと何かが触れた。
あ! 縫いぐるみ発見!
大きすぎて気がつかなかったなぁー。店の真ん中にどーんとスケール1/1。お値段7,800円。
「こ、これください!」
「本気かよ……」
唖然とする彼を尻目に、店員さんが奥からプチプチ梱包済みのものをさっと持ってきて、持ち手を二つつけてくれた。
「またおこしやす」
「ほら、いくぞ」
私の彼、私が持ち手を掴む前に一人で鳥居を背負って歩きだした。
「イエス=キリストみたい」
「色々違うぞ」
京都旅行は始まったばかりだ。
ファンタジー
公開:19/10/09 14:42
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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