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肌と髭のラブストーリー。
僕は毛穴を通り、その肌と出会った。
感情のない髭剃り。剃ればいつも深剃り。
ジョリジョリ処理されても、顔を出して、傷つけた分だけ、君への想いと髭が濃くなった。
もっと切れる剃刀で、もっとすごいシェーバーで、より映える輪郭線、作れたらよかった。
そう願っても、無駄毛だけど。
絶対!君の運命の髭に僕はなりたい。
荒れたり、血が出たり、不器用な愛だけど。
剃り残しに触れただけで、チクチク、お肌はヒリヒリ、心も。
『君にとって僕は何?』
そう思うほど、青くなるのさ。
失敗!悩んだ末にフェイスライン。髭伸ばしてみたり、ダンディな未来では、君が見えない。
その事実に渋い口回りさ。そりゃ、むさ苦しいよな。

(乾燥)

グッバイ!君の肌に僕は似合わない。
それもこれもホルモンの定めなら、永遠に生えないと脱毛するよ。
悪くないよな…もう会えないけど、わかるんだ。
『とても綺麗だ』
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公開:19/10/09 12:27
Official髭男dism Pretender Unofficial 肌と髭のラブストーリー

そるとばたあ( 神奈川 )

★そるとばたあの400字SSは、ことば遊びと文章のリズムにこだわり、音を体感できる物語がコンセプトです!

★第19回坊っちゃん文学賞大賞『ジャイアントキリン群』

★2025年12月、2冊同時刊行の電子書籍
『3分間のまどろみ カプセルストーリー』(Gakken)に『恐竜バーガー』寄稿。

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の選択』、六文字の返信ほか)
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ショートショートの可能性と豊かさが詰まったアンソロジーですのでぜひ!
 

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