節目雲

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雲は、十種雲形と謂われるとおり、その形や発生する高さ、雨を降らせるかによって、巻雲(筋雲)、巻積雲(鱗雲)、巻層雲(薄雲)、高積雲(羊雲)、高層雲(朧雲)、積乱雲(入道雲)、乱層雲(雨雲)、積雲(綿雲)、層積雲(畝雲)、層雲(霧雲)の一〇種類ある。
だが実は、もう一種類あって、それが「節目雲」だ。
節目雲の見た目は、魚の鱗のような形が集まって見える巻積雲に似ていて、竹の節目のような形が集まって見える。
中国の伝奇小説『西遊記』に登場する猿の仙人、孫悟空が空を飛ぶのに乗った觔斗雲が節目雲とも言い伝えられている。
節目雲は、ごく稀にしか見られないので、十種雲形に数えられていないが、三〇年ぶりに日本の空で見られた。時代の転機に現れるのが節目雲の特徴で、二〇一九年は平成から令和に変わったことで見られたようだ。
節目雲は「瑞雲」とも呼ばれており、縁起の良い吉兆の雲とされている。
その他
公開:19/10/09 21:47
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SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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