面白さがし
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彼は今日もその公園をせわしなく散策している。
彼は小説家志望だ。
いい小説の題材になりそうな面白い人、または出来事に出会うため、毎日のように公園を歩いているのだ。
彼は自分の平凡さを嘆いていた。
自分はどこにでもいる普通の男。
何か特技があるわけでもなく、人を惹きつける個性もない。こんな自分に、人を楽しませることなんてできないんじゃないかと、思い悩んでいた。
彼は気づいていない。
最近、公園で彼を見つめる、一人のおじいさんがいることを。
とうに定年退職し、暇を持て余していたそのおじいさんに、新しい日課ができつつあった。
周りをきょろきょろ見回したり、立ち止まって下を見ていたかと思うと突然はっとした表情で顔を上げたり、せっかくの美味しそうな屋台のアイスを物憂げに舐めたりする、そんな不思議な彼を見つめるのが楽しみになった。
おじいさんは、笑いながらこう呟いた。
「実に面白い人じゃなあ」
彼は小説家志望だ。
いい小説の題材になりそうな面白い人、または出来事に出会うため、毎日のように公園を歩いているのだ。
彼は自分の平凡さを嘆いていた。
自分はどこにでもいる普通の男。
何か特技があるわけでもなく、人を惹きつける個性もない。こんな自分に、人を楽しませることなんてできないんじゃないかと、思い悩んでいた。
彼は気づいていない。
最近、公園で彼を見つめる、一人のおじいさんがいることを。
とうに定年退職し、暇を持て余していたそのおじいさんに、新しい日課ができつつあった。
周りをきょろきょろ見回したり、立ち止まって下を見ていたかと思うと突然はっとした表情で顔を上げたり、せっかくの美味しそうな屋台のアイスを物憂げに舐めたりする、そんな不思議な彼を見つめるのが楽しみになった。
おじいさんは、笑いながらこう呟いた。
「実に面白い人じゃなあ」
その他
公開:19/07/01 20:27
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