233. バターフライ

10
11

近所にアメリカ発祥のテイクアウトのバター菓子専門店が出来たので早速行ってみた。
店の前にはこんな貼り紙が。
『購入は独身の人に限る』
意味不明だがそういう人に出来立てを提供したいのかな?
「お客さんは独身?好きな人は?」
レジには占い師みたいなおばさんがいた。
『独身ですよ。好きな人?ええまぁ…ところでメニュー表は?』
「メニューは一つだけ。バターフライのみ」『え?』
「うちのは特別なものだから、好きな人に食べさせるとバターのように蕩けてあんたに酔うよ」半信半疑だったが折角だから二つ程買った。だがそもそもこれを好きな人に食べさせるなんて、デートに誘わない限り無理なんじゃ…。そんなことを考えつつ店の前で出来立てを食べ、ちぎって野良猫に少しあげた。
途端にその猫は妖艶に鳴き僕にすり寄ってくる。
同封されていた説明書にはこう書かれていた。隠し味として惚れ薬を入れています。恋が叶いますように──。
その他
公開:19/07/01 19:00
更新:21/05/13 15:07
バターフライはアメリカ発祥の バターを揚げたお菓子 カロリー高そうだけど 食べてみたい!!

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容