猫ふぐり

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吾輩たちは猫である。名前は其々にある。
我ら猫族の耳、尻尾、肉球、全てにおいて美しい事はご存じの通りであるが、特に猫男子諸賢に授けられし、あの桜桃の如くぷりぷりした猫ふぐりの愛らしさは別格ではなかろうか? 吾輩はふぐりを誇りに思う。

ある日。人間からの貢ぎ餌を頬張ると、いつになく深く寝入ってしまった。
気がつくと見知らぬ薬臭いゲージに押し込められていた。姿は見えぬが、同胞たちもいるようだ。我が命ここ迄かと覚悟を決めていたらほどなく解放され、ホッとして毛繕いを始めるやいなや愕然とした。

ふぐりが……ない!!

大切なモノを失って初めて迎えたある冬の日。ぼんやりと街を彷徨っていたら、劇的な再会を果たした。我らが猫ふぐりが『ふぁーつきいやりんぐ』として多くの人間の婦女子の耳元を彩っていたのだ!

噫。吾輩達の猫ふぐりが、北風に吹かれてゆらゆらしておる。

あまりの事に無い玉がひゅんとした。
その他
公開:19/07/02 14:55
吾輩たちは猫である。

椿あやか( 猫町。 )

【椿あやか】(旧PN:AYAKA) 
◆Twitter:@ayaka_nyaa5

◆第18回坊っちゃん文学賞大賞受賞
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◆【他サイト】
【note】400字以上の作品や日常報告など
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