お経ダイヤモンド

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その宝石店で和尚さんは足を止めた。ダイヤモンドを散りばめた腕時計に目が止まったのだ。
「なんと美しい」
それ以来あの腕時計が忘れられず、お経を唱えながらダイヤモンドの腕時計を頭に浮かべていると、お経を間違えて唱え始めた。
「南無阿弥ダイヤ、南無阿弥ダイヤ」
すると、木魚をポクポク叩くたびにポツポツと天井から小さな石が落ちてきた。その石はキラキラ輝くダイヤモンドに変わった。
「これはありがたい!」
和尚さんはダイヤモンドを拾い上げ、宝石店へ持っていこうと考えた。腕時計と交換するためだ。すると、今度は天井から大きな石がストーンと落ちて和尚さんはひっくり返った。
「痛たたた…」
大きな石は、仏像に化けた。
「お釈迦様!お許しください!」
「おまえを試したのじゃ。まだまだ修行が足りんようじゃな、和尚」
「これからは煩悩を捨て修行に励むことを誓います!」
「期待しておるぞ」
和尚さんは意志を固めた。
その他
公開:19/07/02 12:54
スクー お経ダイヤモンド

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。
お笑い系のショートショートを中心に書いていきたいと思いますので、よろしくです(^^)。

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