心の中の小さな宝石

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17年共に暮らした犬が
天寿を全うした。
年と共に体に負担が出てきて辛そうだったが
少しでも長く一緒にいたくて
お財布との葛藤に身悶えながらも
私はできる限りのことをしたと思う。

そのご褒美のように、最期は眠るように
「大好きだよ、これから先もずっとずっと
 今まで本当にありがとう、大好きだよ!」
と、語り続けるわたしの横で
眠るように息を終えた。

大きな喪失感にさいなまれ
ボーッと過ごしていたそんな中
実家に遊びに行った。

母の猫の体をもみほぐしつつ
「チィちゃんは長生きしなね」と
我知らず語りかけていた。
グームグームググン
喉の奥で鳴っている音に癒されていたその時
「わん」
小さく高く猫が鳴いた。

常識がそんなばかなといってくるが
気まぐれ猫はなんとなく犬の鳴き真似をして
私を慰めてくれたのだ!そうなんだ!と
思うことにした。

誰にも言わなかった心の宝物を
ここに記します。
その他
公開:19/07/02 11:40
更新:19/07/02 17:51

キクゾー

動物も爬虫類も大好きですが、本屋と古本屋も大好きです。本を読んだり絵を描いたり散歩したり、のんびり生きるがモットーです

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