もふく
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家に帰ると、ばあちゃんから手紙を渡された。
「野良猫から、あんたにだって」
訃報。
『大福が……死んだ?』
大福はこの街の皆から愛された野良猫。
鈴を鳴らし、丸々とふてぶてしい顔で、街をよく散歩していた。
「お葬式だね。もふくは?」
『あるよ。喪服』
ばあちゃんが箪笥からだしたのは、もふもふとした黒い毛のスーツだ。
『それが、もふく?』
「そう。猫のお葬式の正装さ。猫耳もね。死んだじいちゃんのだけど、これ着てお別れしてきな」
丘の上公園。
ご近所さんや商店街の皆も参列。
『マタタビは御愁傷様です』
挨拶をし、芳名帳に肉球で判を押す。
大福は眠っているみたいだった。
花や魚や本物の大福に囲まれて、幸せそうな顔。
手を合わせる。
我慢できず、俺は泣いた。皆も。猫たちも一斉に鳴いた。
ミャーゴォ。ミャーゴォ。
ふと、大福を思い出す。
時折、丘からの風が、大福の鈴の音を街まで運んでくれるから。
「野良猫から、あんたにだって」
訃報。
『大福が……死んだ?』
大福はこの街の皆から愛された野良猫。
鈴を鳴らし、丸々とふてぶてしい顔で、街をよく散歩していた。
「お葬式だね。もふくは?」
『あるよ。喪服』
ばあちゃんが箪笥からだしたのは、もふもふとした黒い毛のスーツだ。
『それが、もふく?』
「そう。猫のお葬式の正装さ。猫耳もね。死んだじいちゃんのだけど、これ着てお別れしてきな」
丘の上公園。
ご近所さんや商店街の皆も参列。
『マタタビは御愁傷様です』
挨拶をし、芳名帳に肉球で判を押す。
大福は眠っているみたいだった。
花や魚や本物の大福に囲まれて、幸せそうな顔。
手を合わせる。
我慢できず、俺は泣いた。皆も。猫たちも一斉に鳴いた。
ミャーゴォ。ミャーゴォ。
ふと、大福を思い出す。
時折、丘からの風が、大福の鈴の音を街まで運んでくれるから。
ファンタジー
公開:19/07/02 00:02
★そるとばたあの400字SSは、ことば遊びと文章のリズムにこだわり、音を体感できる物語がコンセプトです!
★第19回坊っちゃん文学賞大賞『ジャイアントキリン群』
★2025年12月、2冊同時刊行の電子書籍
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そるとばたあ