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世界の中に私やヒゲが存在しているのではない。私にヒゲが生えている限り、一つの生の世界が存在する。私はヒゲにより自己を了解し、ヒゲにより可能性をめがける。歩き出せば私以外の存在が次々立ち現れる。両手を広げなくとも風を感じる。空を見上げなくとも湿度を感じる。そして、暗い夜道でも世界を感じた。
ある時、鼠と対峙する。その先に固有の死が待つことに触れる。おまえも同じヒゲを持つ者。かといって交わることは決してない。一匹であることを強く感じ、時に道を譲ることで自分を慰める。それが良心だと考える者もいる。気まぐれだと笑う者もいる。
ヒゲがムズムズしはじめ前足で顔を洗う。雨が近いのだろう。風も強くなってきた。雨風がしのげるところに向かった方がよさそうだ。私は少しだけヒゲを広げて小走りになる。最近、こんな天気が増えた。笑う者の良心が足りない。死ぬことが問題とならない。無駄な不安が多すぎる。ヒゲを持つといい。
ある時、鼠と対峙する。その先に固有の死が待つことに触れる。おまえも同じヒゲを持つ者。かといって交わることは決してない。一匹であることを強く感じ、時に道を譲ることで自分を慰める。それが良心だと考える者もいる。気まぐれだと笑う者もいる。
ヒゲがムズムズしはじめ前足で顔を洗う。雨が近いのだろう。風も強くなってきた。雨風がしのげるところに向かった方がよさそうだ。私は少しだけヒゲを広げて小走りになる。最近、こんな天気が増えた。笑う者の良心が足りない。死ぬことが問題とならない。無駄な不安が多すぎる。ヒゲを持つといい。
ファンタジー
公開:19/06/30 11:36
更新:19/06/30 18:58
更新:19/06/30 18:58
作文とロックンロールが好きです。
https://twitter.com/9en_T
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