不思議なポケットと猫

ウチの猫はポケットに入るのが大好きだ。
母のエプロンの前ポケットに入っては喉をゴロゴロ鳴らして幸せそうにしている。
ただ、母からすれば凄く邪魔である。
それに子猫の頃ならまだしも成猫になった今でもポケットに入りたがる。
ポケットに入っては、母に優しく叩かれ、追い出される日々。
そんな猫にある日異変が起こった。
いつものようにポケットに入った猫を優しく叩く母。
すると、ポケットの中の猫が２匹に増えた。どうなっているんだ！？
もひとつポケットを叩いてみた。すると猫が３匹に増えてしまった。
叩けば叩くほど猫はその数を増やしていく。一体どこまで増えるんだ？
猫が８匹に増えたころ、さらに異変が起こった。
猫は一塊になるとぼわん！と煙を上げた。
煙が晴れると、そこに王冠をつけた大きな猫が鎮座していた。
とりあえず、キングキャットと名付けた。

『キングキャットはポケットに入れなくて寂しそうにしている』