猫眼時計

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俺の愛猫が居なくなった。
「おーい、タマ!」
といくら呼んでも姿がない。
「きっと、外をうろついてるだけよぉ」
薄情な女房を睨みつけると、柱に掛けてあった大時計が三時を告げた。
 にゃあ、にゃあ、にゃあぁあ!
驚いて振り返ると、時計は長い舌をだらりと垂らし、糸のような瞳で俺を見つめた。
「タマ!?」
胴の辺りは茶と黒と白の毛で覆われていた。
「猫は家に付くっていうしねぇ」
女房はケケケと笑った。
猫時計は眼を閉じ、自慢の髭をカチカチと廻転させた。

べろり。
「うわっ!?」
俺の腕時計にも長い舌が生え、毛で覆われていた。
ほかの時計も調べてみると、すべて猫の特徴が現れていた。
「ね、やっぱり猫だから家に付いたのよ」
「そんな馬鹿なッ!」
家中の時計が三時半の時刻を一斉に告げた。
 にゃあぁぁぁぁぁぁぁぁあ!
そして、女房の腹時計からも長い舌がだらりと垂れた。
「お腹空いちゃったにゃあ⋯⋯」
ホラー
公開:19/06/30 14:05
更新:19/07/09 21:44

渋谷獏( 東京にいるけっどカンサイジ〜ン♪ )

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