もしも、私の人生に猫がいなかったら

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もしも私の人生に猫がいなかったら、私は心を閉ざしたままだっただろう。
膝の上の同居人は寡黙である。私が何を話しかけても黙っている。
しかしその尖った耳は私の言葉を聞き漏らすまいとこちらに向けている。
猫とはなんと聞き上手な生き物なんだ…日頃の愚痴なんて誰に話しても嫌がられるのに猫は嫌がりもせずに聞いてくれる。
愚痴を聞いてくれたお礼におやつをあげた。喜ぶ。これが目的なのだろう。
猫は愚痴を聞いてくれるだけで何もしてくれない。解決方法なんて出してくれるわけない。
忙しい時には「もう少しゆっくりしろ」と言わんばかりに膝の上から動かない。
休みたい時には「エサ!水!遊んでくれ!」と言わんばかりに大暴れ。
なんで猫なんて愛してしまったのやら…
猫の尻尾は鍵尻尾。猫は私の心の鍵を見事に開けてしまった。猫の前なら正直になれる。
もしも私の人生に猫がいなかったら、こんな話を書こうとも思わなかっただろう。
公開:19/06/28 18:41

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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