月を求めて

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どこまででも付いてくる月が怖い。
昔はそう思ってた。
振り返ったり見上げたりすると、絶対にいるから。
お日様みたいに眩しくもなく、ボンヤリ光りながらそこにいる。
小さい頃はそれが怖くて、遅くなったら走って家に帰ってた。
でも、いつの頃からかいつも変わらずにある月に、不思議と安らぎを感じるようになったの。
「あぁ、今日もちゃんとそこにあるんだ。」
って。
それから、夜中に孤独を感じた時は、部屋着のままで外に出るようになったわ。
そうして、空を見上げるの。
街は明るくて星なんて見えないのに、お月様はそこにいるの。
優しい顔で見守ってくれてる。
「大丈夫だよ、ここにいるよ。」
って。
そういう声が聞こえた気がして、いつも心が軽くなるんだ。
「1人じゃないんだ。大丈夫なんだ。」
って思えるの。
だからお月様は大好き。
変わっていく生活で、変わらずにそこにいてくれる。
君にもそういう拠り所、ある?
その他
公開:19/06/28 04:20

ハル・レグローブ( 福岡市 )

趣味で昔から物書きをのんびりやってます。
過去に書いたもの、新しく紡ぐ言葉、沢山の言の葉を残していければと思います。
音泉で配信されているインターネットラジオ「月の音色 」の大ファンです。

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