木目猫
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「や~っと、お気付きににゃりましたか!」会釈をしながら、壁からにゅっと出てきた猫を、私はぱちくりと見ていた。
おかしい。私はいつものように、会社で昼御飯を食べてただけだ。ただぼんやりしてて、えーと、そしたら壁の木目が、だんだん猫の顔に見えてきて…
「目が合いましたね。」再三の言葉に、私はビクッと跳ねる。
「取って食おうって訳じゃにゃいんだし、そんな魚みたいに跳ねにゃいで下さいよ。」
「えーっと、なななんで壁から…」
「木目、猫みたいだって思ったでしょ?そう認識してくれる人がいると、僕は命が宿るんですよー。長くここにいるけど、気づいたの、あなたが初めてです。」
「はあ、それはどうも。」
「じゃ、僕行きます。」
「え?それだけ?」
「それだけってにゃんですか。せっかく自由になったし楽しまなきゃ。」不思議そうに猫は言い、去った。
もう一度壁を見ると、猫型の木目は綺麗に無くなっていた。
おかしい。私はいつものように、会社で昼御飯を食べてただけだ。ただぼんやりしてて、えーと、そしたら壁の木目が、だんだん猫の顔に見えてきて…
「目が合いましたね。」再三の言葉に、私はビクッと跳ねる。
「取って食おうって訳じゃにゃいんだし、そんな魚みたいに跳ねにゃいで下さいよ。」
「えーっと、なななんで壁から…」
「木目、猫みたいだって思ったでしょ?そう認識してくれる人がいると、僕は命が宿るんですよー。長くここにいるけど、気づいたの、あなたが初めてです。」
「はあ、それはどうも。」
「じゃ、僕行きます。」
「え?それだけ?」
「それだけってにゃんですか。せっかく自由になったし楽しまなきゃ。」不思議そうに猫は言い、去った。
もう一度壁を見ると、猫型の木目は綺麗に無くなっていた。
公開:19/06/27 23:47
更新:19/06/28 12:50
更新:19/06/28 12:50
自然と暮らす。
題材は身近なものが多いです。
110.泡顔
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