ねこぽぽ

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私は人間じゃないものが見えた。6歳の時公園で野良猫を見つけ、毎日家から食べ物を持って行った。ある日猫が喋った。
『お前気にいった。ねこぽぽあげる。』
渡されたのは、たんぽぽのようなもの。しかし少し違っていたのは、球体ではなく猫の顔のような形だった。猫が物の怪だったと知り怖くなった私は、家に帰り小さい木箱にねこぽぽを閉まった。それから50年経った今でも1度も箱を開けていない。ある日私にガンが見つかった。医者からは余命を宣告され後先長くないことを知った私は旦那にねこぽぽのことを話した。
「危険なものかもしれないから私が死んだ後に棺に入れてほしいの。」

すると旦那は箱を開け、ねこぽぽを取り出し綿毛を吹いた。ポン!ポン!ポン!宙を舞う白は軽快な音と共にポップコーンに変わる。部屋中が香ばしい香りでいっぱいだ。口に入れると懐かしい味がした。翌日病院で検査をするとガンは消えていた。
その他
公開:19/06/26 18:17
更新:19/06/27 15:38

天崎ユウ

お茶飲んでまったりする時間が幸せです☕️

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