無限階段
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友人の髪が残念そうに風に靡く。
私は『登り切ると願いが叶う』と噂された無限階段に友人と挑戦していた。
登る度、体が老けていく。気づくと傘を杖代わりに登っていた。
疲れ果て、何を願うかも忘れかけたとき、一匹の猫が降りてきた。
「……タマ?」
三十年前に飼っていた白黒のブチ猫。タマは昔と変わらない仏頂面で私を見上げると、そのまま階段を降りていった。
「待って」
私は慎重に階段を降り始めた。
『頂上見えたぞ!』
友人の嗄れた声が聞こえた。
僕はタマを追った。降りる度、若返るように足取りが軽くなる。僕は傘を投げ捨て、風を切り、子供の足で駆け降りる。
地上が見えてきた。
タマに追い付き、勢いよく飛び降りた。
ダンッ!
「どうだ!……?」
タマはいなかった。
不思議と寂しさはなかった。
ぼくはダボダボの大人の服を脱ぎ捨てた。そして、パンツを支えながら、再び階段を裸足で駆け登った。
私は『登り切ると願いが叶う』と噂された無限階段に友人と挑戦していた。
登る度、体が老けていく。気づくと傘を杖代わりに登っていた。
疲れ果て、何を願うかも忘れかけたとき、一匹の猫が降りてきた。
「……タマ?」
三十年前に飼っていた白黒のブチ猫。タマは昔と変わらない仏頂面で私を見上げると、そのまま階段を降りていった。
「待って」
私は慎重に階段を降り始めた。
『頂上見えたぞ!』
友人の嗄れた声が聞こえた。
僕はタマを追った。降りる度、若返るように足取りが軽くなる。僕は傘を投げ捨て、風を切り、子供の足で駆け降りる。
地上が見えてきた。
タマに追い付き、勢いよく飛び降りた。
ダンッ!
「どうだ!……?」
タマはいなかった。
不思議と寂しさはなかった。
ぼくはダボダボの大人の服を脱ぎ捨てた。そして、パンツを支えながら、再び階段を裸足で駆け登った。
ファンタジー
公開:19/06/26 08:44
更新:19/06/26 23:11
更新:19/06/26 23:11
猫
マイペースに書いてきます。
感想いただけると嬉しいです。
100 サクラ
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