雨の独り言

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卒業式の日、俺は先生に告白した。貴方が好きです!結婚してください!と。
先生は笑った。「ごめんね」と困った顔で俺の頭を撫でてくれた。
俺の恋が終わった。涙が流れた。
分かっていた。俺は子供で大人な先生とは釣り合わない。
それでも先生に「待ってる」って言ってほしかった。俺は絶対に先生を迎えに行くつもりだった。
でも、それは叶わなかった。そんな俺を友人が冷やかす。
「何泣いてんだよ」と揶揄う言葉に俺は、泣いていない!と言い返した。
そう、これは雨だ。俺にだけ突発的に雨が降ったんだ!
友人と先生は困った顔をしていた。
そんな俺を優しく抱き上げてくれる人がいた。母だ。
「アンタに恋はあと10年早いわよ」
そう言って俺を慰めてくれた。やっぱり俺にはこの人しかいない。
俺は将来母ちゃんと結婚する。
その独り言に母は喜んでくれた。

俺の卒園式の話だ。あの時のことを思い出すと今でも顔から火が出そうだ!
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公開:19/06/27 18:35

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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