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マロン。
拾ってきた子猫にそう名付けたのは、マロンクリームの色だったからだ。
猫嫌いのお母さんが骨折で入院中に公園で鳴いていたマロンを拾って帰り、退院してきた時にはすっかり我が家の猫になっていた。
お母さんは三日ぐらいマロンに気が付かなかった。
マロンはあまり愛想がなかった。
学校帰りに道端に生えていた草を友達が見つけ「猫じゃらしだよ」と言った。
それを持って帰ってマロンの前で揺らしてやると反応がすごかった。
まさに猫じゃらし。
五年目の春。
マロンは庭から道路に飛び出した時、なんと自転車にはねられて死んでしまった。
私は泣きながら庭にマロンを埋めた。
一週間ほどは、思い出しては泣き、思い出しては泣きしながら過ごした。
夏が過ぎ秋の終わり頃。
庭にネコジャラシが生えているのに気がついた。
幾本もの穂が風に揺れると、じゃれているマロンの姿が見える気がした。
何匹も何匹も、いつまでも。
拾ってきた子猫にそう名付けたのは、マロンクリームの色だったからだ。
猫嫌いのお母さんが骨折で入院中に公園で鳴いていたマロンを拾って帰り、退院してきた時にはすっかり我が家の猫になっていた。
お母さんは三日ぐらいマロンに気が付かなかった。
マロンはあまり愛想がなかった。
学校帰りに道端に生えていた草を友達が見つけ「猫じゃらしだよ」と言った。
それを持って帰ってマロンの前で揺らしてやると反応がすごかった。
まさに猫じゃらし。
五年目の春。
マロンは庭から道路に飛び出した時、なんと自転車にはねられて死んでしまった。
私は泣きながら庭にマロンを埋めた。
一週間ほどは、思い出しては泣き、思い出しては泣きしながら過ごした。
夏が過ぎ秋の終わり頃。
庭にネコジャラシが生えているのに気がついた。
幾本もの穂が風に揺れると、じゃれているマロンの姿が見える気がした。
何匹も何匹も、いつまでも。
ファンタジー
公開:19/06/26 23:05
もともとは漫画を描いていました。
漫画のアイデアを文字で書いているうちにショートショートも書くようになったんですよね。
名前はもちろんペンネーム。
実際にはない名字を考えました。
読みは、男の子気分の時は『いえにら・まさみ』
女の子気分の時は『いえにら・まみ』に変わります(笑)
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