22
18
首に掛ける空を、恋人にもらった。
上を見る暇もないなら、これで空模様が判るわね。残業が常態の僕に、彼女なりの気遣いと忠告だったのだと思う。
朝、胸元から光が指して、起きる。良い目覚ましだ。
藍。茜。金。青。明けていく小さな空を下げ、電車に乗る。次第に温かさを増し、陽だまりは元気を分けてくれる。
流れる雲と一緒の昼食は楽しい。時々風が吹き、午後の眠い時間も、爽やかに乗り切れる。
雨が降るかどうかも、すぐ判る。傘の持ち忘れと洗濯物の失敗が減った。雷はハッとするが、花火の様で綺麗だ。上司の嫌味も、雷鳴が中和してくれる。
夕焼けの頃、同調する変化が見たくて、本物の空と交互に眺める。思わず息が零れ、皆が笑う。張り詰めた空気が和んだ。
相変わらず、仕事は忙しい。
星を撒いた空を摘み、ブラックコーヒーを啜る。
冴えた冷気が、早く帰れと促す。
ああ、もう帰るよ。
夜に口付け、デスクトップをオフにした。
上を見る暇もないなら、これで空模様が判るわね。残業が常態の僕に、彼女なりの気遣いと忠告だったのだと思う。
朝、胸元から光が指して、起きる。良い目覚ましだ。
藍。茜。金。青。明けていく小さな空を下げ、電車に乗る。次第に温かさを増し、陽だまりは元気を分けてくれる。
流れる雲と一緒の昼食は楽しい。時々風が吹き、午後の眠い時間も、爽やかに乗り切れる。
雨が降るかどうかも、すぐ判る。傘の持ち忘れと洗濯物の失敗が減った。雷はハッとするが、花火の様で綺麗だ。上司の嫌味も、雷鳴が中和してくれる。
夕焼けの頃、同調する変化が見たくて、本物の空と交互に眺める。思わず息が零れ、皆が笑う。張り詰めた空気が和んだ。
相変わらず、仕事は忙しい。
星を撒いた空を摘み、ブラックコーヒーを啜る。
冴えた冷気が、早く帰れと促す。
ああ、もう帰るよ。
夜に口付け、デスクトップをオフにした。
ファンタジー
公開:19/06/26 22:47
更新:19/06/26 22:51
更新:19/06/26 22:51
アクセサリー・シリーズ①
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
https://amzn.to/32W8iRO
ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
ログインするとコメントを投稿できます