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小学一年生になった頃、学校に行くのが嫌だった。テツはそんな私に「僕が守るから一緒に行こう」と言ってくれた。
「テツは新しい友達が出来たんでしょ?」
「幼馴染の莉音は友達より大事だよ」
「ホント?」
「うん」
それから私とテツは覚えたてのひらがなで幼馴染届を作って山の麓の祠に入れた。
『てつおとりおんはずっとともだちです』
そう神様に誓った。
テツは私が困った時にいつも側にいてくれた。
それは、高校生になって、テツに初めての彼女が出来ても変わらなかった。
「あー、莉音といるとホント楽だわ」
「彼女にカッコつけてるからでしょ」
苦笑するテツに腹が立って後頭部を叩いた。
「なんかムカつく」
「なんでだよ」
そんな彼女と別れて私と…。
その言葉を飲み込んだのは何度目だろう。
胸の中に苦い痛みが広がるのを感じた。
幼馴染はずっと友達。
その約束に助けられた私は今、その約束が苦しかった。
「テツは新しい友達が出来たんでしょ?」
「幼馴染の莉音は友達より大事だよ」
「ホント?」
「うん」
それから私とテツは覚えたてのひらがなで幼馴染届を作って山の麓の祠に入れた。
『てつおとりおんはずっとともだちです』
そう神様に誓った。
テツは私が困った時にいつも側にいてくれた。
それは、高校生になって、テツに初めての彼女が出来ても変わらなかった。
「あー、莉音といるとホント楽だわ」
「彼女にカッコつけてるからでしょ」
苦笑するテツに腹が立って後頭部を叩いた。
「なんかムカつく」
「なんでだよ」
そんな彼女と別れて私と…。
その言葉を飲み込んだのは何度目だろう。
胸の中に苦い痛みが広がるのを感じた。
幼馴染はずっと友達。
その約束に助けられた私は今、その約束が苦しかった。
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公開:19/06/24 23:00
スクー
幼馴染届
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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