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「どうした?」と彼が聞く。調子の悪そうな私を察して。
大丈夫よ。と言いながら、私は電車の外を眺める。
流れる景色、青空、そして海。白く点在するカモメ―。
ふと横を振り返ると彼はいない。
電車に乗っている他の乗客もいない。
私独りだと気付いた。
座り続ける。窓の外を眺める。
窓?
そんなものなど無いことにも今更ながら気付いた。
私の白いワンピース。彼とのデートのために用意したワンピース。
そうか、これは入院着。
暴れまわる自分を抑えるための、聖なる衣。
窓もなく、暗い部屋。
独房。
私の脳が―。
溶けていく―。
…
「…ということで、次回の【花園幼稚園 指人形劇】の台本企画紹介を終了します。いかがだったでしょうか」
「田中、すまん、少し働かせすぎたみたいだ。上司として謝る。だから、少し休め。な?頼むよ」
【立案】
大丈夫よ。と言いながら、私は電車の外を眺める。
流れる景色、青空、そして海。白く点在するカモメ―。
ふと横を振り返ると彼はいない。
電車に乗っている他の乗客もいない。
私独りだと気付いた。
座り続ける。窓の外を眺める。
窓?
そんなものなど無いことにも今更ながら気付いた。
私の白いワンピース。彼とのデートのために用意したワンピース。
そうか、これは入院着。
暴れまわる自分を抑えるための、聖なる衣。
窓もなく、暗い部屋。
独房。
私の脳が―。
溶けていく―。
…
「…ということで、次回の【花園幼稚園 指人形劇】の台本企画紹介を終了します。いかがだったでしょうか」
「田中、すまん、少し働かせすぎたみたいだ。上司として謝る。だから、少し休め。な?頼むよ」
【立案】
その他
公開:19/06/24 21:34
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