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夜、男はベッドでふと目を覚ました。月明かりに照らされた白壁に黒い影。にゃあうぅ。猫の鳴き声が聞こえる。凝視すると猫の影。猫の幽霊か?男は、そう思ったが、さほど怖さを感じなかった。
にゃあうぅ、にゃあうぅ。
昔、猫を飼っていた男は、お腹が空いているときの声だとわかった。
「幽霊になってもお腹が空くのだな」男は冷蔵庫からツマミ用のメザシを一匹取り、そっと差し出す。影猫はカリカリとメザシを食べ始めた。いや、食べているのは、影のほうだ。
影がなくなった。刹那、男が狼狽したのは、メザシが床を飛び跳ねていたのだ。どうやら、影を食べると蘇るようだ。男は気味が悪くなり、窓から影猫を追い出した。

影猫は、お腹を空かして街を彷徨っていると、突然とある博物館に忍び込んだ。
カリカリ、カリカリ……
餌になる影にありついたようだ。

影猫が満足気に博物館から抜け出した途端、壁をぶち破って恐竜たちが飛び出してきた。
ファンタジー
公開:19/06/24 19:15

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。
お笑い系のショートショートを中心に書いていきたいと思いますので、よろしくです(^^)。

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