フィンランドの高貴な人 カレンダー刑事 vol.7

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ある日カレンダー刑事は、フィンランド大使館の職員から相談を受けた。
事件ではないが、館内で困り事があるという。

大使館に勤務する、フィンランドのペッカという青年が、事務机に置いた文鎮が動かないのだ。
ペッカ青年は先月、本国に帰国。文鎮は、本人しか動かせないらしい。

話を聞いたカレンダー刑事は、考えた。
「その文鎮は、きっと北欧神話の“ウル”の素材ですな」
“ウル”は、高潔な魂の持ち主しか動かせない。
「ペッカ青年は、高貴な出自だったのでしょう」

誰が試しても、文鎮は動かせない。
そこで、カレンダー刑事は、皆に提案した。
「フィンランド生まれで、多くの人に慕われる存在なら、持ち上げられるはず」

結局、イベント事務所に連絡し、文鎮をやっと動かす事に成功した。
「ムーミン」の着ぐるみに来館してもらい、文鎮をはらいのけたのだ。

刑事は頷いた。
「北欧生まれの妖精ですからね、ムーミンは」
ミステリー・推理
公開:19/06/23 13:05
更新:19/06/24 21:48
カレンダー刑事 北欧神話

tamaonion( 千葉 )

雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。

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