海千山千

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「今回の君のショートショートは、4行目から8行目までを塗りつぶせばR15の作品として掲載することができるが、塗る?」 と、編集長に言われた。
「これまで削られたら、俺の作品じゃないですよ」
「あのね。ここカットしてナニすれば、日曜午後六時半からのアニメ化も?!ってとこまで進めてるんだからさあ」
「ですが…」
「ケンタウルスが人魚とナニしている最中に、四つの蹄で人魚の手と尻尾を押さえ、フサフサの尻尾でたわわなナニをナニしながら上半身を深く折り曲げて、人魚の腹をかっ捌き、溢れ出るイクラにいきり立つナニをナニしてピュッピュッ。
 とかいう、前後と何の脈絡もない夢想の克明な描写に必然性があるのか? と言っとるんだよ!」
 俺は正攻法を諦めた。
「じゃ、サブリミナル的にちりばめましょう。それなら俺の魂は死なない」
「知らんけど。隠すならバレるようにな」
「それはもう」
 俺たちはがっちりと握手した。
その他
公開:19/06/23 11:59
更新:19/06/23 12:00
書き出しだけ大賞 二期

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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