ミッドナイトラン

★五島→フェリー→長崎着
「今からキャンプ場所探すの面倒やな」
「日が暮れるばい」
「晩飯食おう」
「長崎やったらチャンポンやろ」
★中華料理店前
「食ったー！」
「このまま家まで帰るか？」
「眠くなったらどっかで野宿」
「行こう」
★長崎→自転車→福岡
「おととい、自転車漕いで一日で筋肉着いたって言ったけど、間違い。
　単なる日焼け。腫れとるだけ」
「やっぱり」
★真夜中の上り坂
「がんばってね～！」
　車に乗ったヤンキーが高１三人組の自転車を追い越していった。
「こんな時間に女と一緒で何すっと？」
「青春たい！」
「俺も早く青春がしたかー！」
「俺も・・・」
「お前は？」
★夜明け
「五島の海、きれいかったな」
「あのスイカはどこ行ったやか？」
「ちゃんと結んどかんけん」
「今度、精算」
「じゃあ」
「じゃあ今度な」

　あの頃、早く青春がしたかった。
　でも、それも青春だった。