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亡くなった祖母は捨て猫の里親探しの手伝いをしていた。
不思議と祖母が仲介した猫は里親との相性が良くどの猫も返されるとこなく、生涯里親の元で暮らしたという。
祖母もキンという名のオッドアイの白猫を可愛がっていた。
キンは良くできた猫で、祖母が亡くなるひと月前、一足先に虹の橋を渡っていた。
あれから1年。我が家でもオッドアイの白猫を飼うことになった。
その日は祖母の一周忌ということもあり、祖母の友人や里親探しの仲間が祖母に手を合わせに来てくれた。
その中の一人が「あらこの子も金目銀目なのねぇ。あの子と同じモノが見えるのかしらね」と言う。
何かと問えば「先代のキンちゃんね。片方には猫が、片方には人が映ってたんですって」とからかうようにウィンクをした。
そんなバカなと思いつつ、生後ふた月ほどの仔猫の顔を覗き込む。
こちらを見上げる金の目には私が、銀の目にはこの子が映っていた。
その他
公開:19/06/21 22:34
更新:19/06/21 23:24

水田村(みたむら)

ご無沙汰しておりました。リハビリ中につき日記のようなものしか出ませんがよろしくお願いいたします。
Twitterアカウント(@mitamura2018)

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