死期

猫ってのは、自分の死期を悟るとなると、ふらっと姿を消しちまうんだと。
理由は良く分からんけどね。

ただ何て言うの、この姿勢？いや態度か？カッコいいと思わないかい。俺は、ちょいシビれるね。
男は黙って背中で語る、的な？いや、メス猫もそうかもしんないけどさ。

引き際を察知したら、てめえでてめえにケリを付ける。
ぎゃあぎゃあ騒がず、黙って独り、ケリを付ける。

憧れるなぁ、俺もそうなりたいもんだと心から思うわ。

心から思う。

思っているんだわ。

思っていないとやってられないんだわ。

ちょっとねぇ。
どうも薄々、俺は猫にはなれんのではなかろうか、と思い始めているのよ。

あぁ、参ったなぁ。独りになりてぇなぁ。こんなに囲まれちゃあ、猫みたいにふらっと消えられもしない。

過去、俺が、色々やらかしたことについては謝る。

だからさ、頼むよ。

その銃口を下ろしてくれ。