すいっち

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2月2日2時22分。寝坊して慌てていた俺は、道に飛び出してきた猫にぶつかる。
「危ない!」「にゃあ!」
猫は「全く危ないにゃ!」と怒りながら立ち去った。
駅に辿り着き、改札を通ろうして、右手の手首から先が猫の手になっていることに気が付く。入れ替わっている!右手の先だけ…。
俺は右手を隠すように会社に行き、こっそり同僚に話をした。
「実は…」
同僚は目を輝かせ叫んだ。
「触らせろよ肉球!皆肉球だぞ!」
肉球は好評だった。噂を聞いた部長や課長も触りに来た。
帰り道。右前足だけ人の手になっている猫を見つける。
「おい!お前」
猫はハッとしてこちらに来た。
「面白かったが元に戻りたい」「同意だにゃ」
走ってきて、せーの!でぶつかることにした。ドーーン!
「あいたた」「痛いにゃ」
右手を見る。人間の手に戻っている。俺の手だ。
それ意外は猫だった。
右手以外が俺になった猫は、にゃはと笑って立ち去った。
その他
公開:19/06/21 12:48
更新:19/06/21 20:19

むう( 地獄 )

人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。

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