10
10
久しぶりに故郷の街に帰って来た。
街はすでに子供の頃の面影はなく、自動車の排気ガスに満ちていた。
しかし少し裏道に入ると、昔よく行った駄菓子屋さんが、まだちゃんと残っていた。
幼い記憶のままの瓦屋根の建物。
汚れたガラスの木製の引戸。
そしてそこにいるおばちゃんもあの頃のままだ。
おばちゃんは「おかえり」と言って笑った。
あの頃と同じように、僕はおばちゃんを見上げていた。
店の奥の畳の部屋でお菓子を食べながらおばちゃんがいれてくれたお茶を飲んでいた。
その時、店の前の道を買い物かごを下げたお母さんが通ったのだ。
そう、僕がまだ子供の頃に死んでしまった若い頃のお母さんだ。
店を飛び出して夢中で追いかけた。
僕は泣きながら走ったけれど、とうとう見失ってしまった。
気が付くと街はもう姿を変えていた。
灰色のビルの立ち並ぶ騒がしい街だった。
そしてたぶん、僕の姿も大人に戻っているのだろう。
街はすでに子供の頃の面影はなく、自動車の排気ガスに満ちていた。
しかし少し裏道に入ると、昔よく行った駄菓子屋さんが、まだちゃんと残っていた。
幼い記憶のままの瓦屋根の建物。
汚れたガラスの木製の引戸。
そしてそこにいるおばちゃんもあの頃のままだ。
おばちゃんは「おかえり」と言って笑った。
あの頃と同じように、僕はおばちゃんを見上げていた。
店の奥の畳の部屋でお菓子を食べながらおばちゃんがいれてくれたお茶を飲んでいた。
その時、店の前の道を買い物かごを下げたお母さんが通ったのだ。
そう、僕がまだ子供の頃に死んでしまった若い頃のお母さんだ。
店を飛び出して夢中で追いかけた。
僕は泣きながら走ったけれど、とうとう見失ってしまった。
気が付くと街はもう姿を変えていた。
灰色のビルの立ち並ぶ騒がしい街だった。
そしてたぶん、僕の姿も大人に戻っているのだろう。
ファンタジー
公開:19/06/22 18:44
更新:19/06/23 00:20
更新:19/06/23 00:20
もともとは漫画を描いていました。
漫画のアイデアを文字で書いているうちにショートショートも書くようになったんですよね。
名前はもちろんペンネーム。
実際にはない名字を考えました。
読みは、男の子気分の時は『いえにら・まさみ』
女の子気分の時は『いえにら・まみ』に変わります(笑)
ログインするとコメントを投稿できます