雨の独り言

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「朝、お前の顔見ると外は雨降っているんだなって思うようになってきた」
「何で?」
「朝から外に出たくなくなる、憂鬱な気分になるからだよ」
幼馴染の武を起こしに来た私は遠回しの嫌味を言われた。
ああそう!なら、もう起こしに来ないわ!
人の親切を無下にするなんて、あんな奴もう知らない!
次の日から私は武を起こしに行くのをやめた。

『武!アンタいつまで寝てんの!早く起きなさい!』
私が家を出る時、武の部屋から雷の落ちる声がした。
『武…お前はまた遅刻か。いい加減にせんか』
教師からはお説教の雨あられだ。

そんな日々に耐えられなくなった武は私に頭を下げてきた。
「すまん!明日から起こしに来てくれ!」
そんな武に私は言ってやった。
「朝、武を起こしに行かないと外は雨降っているんだなって思うようになってきたわ」
武は首をかしげる。
「話し相手がいないから、ぽつりぽつりと雨のように独り言が増えるの」
公開:19/06/22 18:20

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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