6
8
この世にたった一つの真実が嘘だったと悟って不死になったハッピーな男の話をしよう。
A男とその友人のB朗。B朗の恋人C美。「近頃、B朗とうまくいかないの」と、C美がA男に相談する。これが半年前。
C美の腕に青痣がある。「大丈夫か?」とA男。「平気。B朗には何も言わないで」と、これが四ヶ月前。
三人は同じ劇団員。
「A男。お前の大切なC美が、B朗に滅茶苦茶にされたんだぞ。本気で殺しにいけよ、馬鹿」と演出家が怒鳴る。これが二ヶ月前。
そして舞台本番。A男がB朗を刺す場面で、ナイフが本物にすり替わっていた。ステージは血まみれ。警察登場!
事故と主張するA男だが、その時、確かに殺意があった。「半年前からA男に言い寄られていた」とC美。
任意同行に応じたA男。過酷な取調べの果て、とうとう罪を認めたところで、
ネタばらし。
大成功!!
このプラカードを持っているのが、ハッピーな男だ。
A男とその友人のB朗。B朗の恋人C美。「近頃、B朗とうまくいかないの」と、C美がA男に相談する。これが半年前。
C美の腕に青痣がある。「大丈夫か?」とA男。「平気。B朗には何も言わないで」と、これが四ヶ月前。
三人は同じ劇団員。
「A男。お前の大切なC美が、B朗に滅茶苦茶にされたんだぞ。本気で殺しにいけよ、馬鹿」と演出家が怒鳴る。これが二ヶ月前。
そして舞台本番。A男がB朗を刺す場面で、ナイフが本物にすり替わっていた。ステージは血まみれ。警察登場!
事故と主張するA男だが、その時、確かに殺意があった。「半年前からA男に言い寄られていた」とC美。
任意同行に応じたA男。過酷な取調べの果て、とうとう罪を認めたところで、
ネタばらし。
大成功!!
このプラカードを持っているのが、ハッピーな男だ。
ファンタジー
公開:19/06/22 14:40
書き出しだけ大賞 二期
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
ログインするとコメントを投稿できます