Ep.14 「雪にゃんこ」

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冬休みに祖母の家に行くと辺りは雪で真っ白だった。私は大喜びで庭に出て雪だるまを作った。すると祖母が細い葉と赤い実を持ってきた。
「これは笹の葉と南天の実よ。雪うさぎの作り方を教えてあげるね」
祖母は雪を丸めてうさぎの形を作ると、笹の葉と南天の実をくっつけた。
すると不思議なことに、雪うさぎがピョンと跳んで庭の奥に消えていった。
私が驚くと祖母が笑った。
「やってみるかい?」
祖母の真似をして雪うさぎを作ると、またピョンと跳んでうさぎが消えた。私は祖母から笹の葉と南天の実を貰って、いくつも雪うさぎを作った。そして、雪うさぎを作るのに飽きると、次は雪にゃんこを作った。すると、雪にゃんこはピョンと跳んで、家の中に入ってしまった。どこに逃げたのか家中探しても見つからない。
私は探すのを諦めて、こたつに足を入れ、驚いた。
こたつの中がびしょ濡れだったのだ。
中を覗くと、笹の葉と南天の実が落ちていた。
ファンタジー
公開:19/06/20 06:00
更新:19/08/10 18:37
カリカリ町は猫びより

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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