来世は君と同じに

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わかってるわ。独り暮らしの女が猫を飼ったら婚期が遠のくんでしょ。でも、そんなの気にしてられない。だって私と虎之助は運命で結ばれてるんだもの。
あれは私が仕事でミスをして落ち込んでいた帰り道、「フギャア!」と猫らしからぬ悲鳴をあげて空から降ってきて、私の頭に飛び蹴りをかまし、お尻をついた私のお腹にくるりと着地を決めた猫が虎之助だった。
無言で見つめあう私と虎之助。まるでお互いが遠い記憶の糸を手繰り寄せているかのようだった。前世で私達は悲しい結末を迎えた恋人同士だった。そんな気がしたの。そう思ったら、連れて帰るしかないじゃない。
まさか私の運命の人が猫になってるなんて。
なんで人に生まれ変わらなかったのよ。
そう思っていたんだけどね。
昨日、不思議な夢を見たの。夢の中の虎之助は人間だった。漁師をしていて、私は虎之助と一緒に住んでた。
でも彼が獲ってきた魚をガツガツ食べてる私は、猫だったのよ…。
ファンタジー
公開:19/06/20 06:00
更新:20/12/31 10:02

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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