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まさかこの歳になって急性虫垂炎になるとは思わなかった。最近、酒の量が増えていたのが原因かもしれない。診察を受けた時、虫垂を切るか薬で散らすかと聞かれ、切って貰う事にした。すぐに手術すると言われ手術室で横になっていると、白衣の猫が入ってきた。ところが医師達は猫を追い出すどころか、猫に頭を下げた。
「ちょ、ちょっと!」
「虫垂除去手術を担当する医師猫のタケルです」
医師が猫を紹介した。
「猫がやるの?」
「猫はハンターですから、虫垂退治は得意なんです」
ニャアア!
いきなり猫が私の腹に腕を振り降ろした。ズブリと爪が腹に刺さるが全く痛くない。すぐに腹から腕を引き抜くと、爪の間に赤黒い虫が蠢いていた。
「手術完了です」
一瞬で終わった。神の猫の手だ。
手術の後、酒を飲まなくなった。
あの時、爪には2匹の虫がいた。
もしかしたら、猫が私の体から虫垂と一緒に大酒の虫も取り除いてくれたのかもしれない。
「ちょ、ちょっと!」
「虫垂除去手術を担当する医師猫のタケルです」
医師が猫を紹介した。
「猫がやるの?」
「猫はハンターですから、虫垂退治は得意なんです」
ニャアア!
いきなり猫が私の腹に腕を振り降ろした。ズブリと爪が腹に刺さるが全く痛くない。すぐに腹から腕を引き抜くと、爪の間に赤黒い虫が蠢いていた。
「手術完了です」
一瞬で終わった。神の猫の手だ。
手術の後、酒を飲まなくなった。
あの時、爪には2匹の虫がいた。
もしかしたら、猫が私の体から虫垂と一緒に大酒の虫も取り除いてくれたのかもしれない。
ファンタジー
公開:19/06/20 06:00
更新:19/06/20 05:12
更新:19/06/20 05:12
カリカリ町は猫びより
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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