Ep.3 「勝利を呼ぶ肉球」

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2017年、阪神タイガースは金本監督の2年目のシーズンだった。
4月13日の横浜DeNA戦。1対1で迎えた9回表、阪神ベンチに猫が迷いこんだ。選手達が捕まえようとする中、ひょいと掴んで持ち上げたのは金本監督だった。選手達は金本監督に拍手喝采。ベンチの雰囲気が和らいだ。
金本監督は選手達に、リラックスするから猫の肉球を触れと命じた。選手達が代わる代わる金本監督に抱かれた猫の肉球をふにふにしていると、我慢の限界がきたのか猫が暴れて逃げてしまった。猫はグラウンドを駆け回り、試合は一時中断となった。
その後、肉球ふにふに効果による連続適時打で、試合は阪神が勝利した。

試合の後、逃げたトラ猫を捕まえ、勝利を呼ぶ猫として密かに阪神ベンチに専用スペースが置かれた。そして、打席に立つ前の肉球ふにふにが恒例となった。

阪神が前年4位から2位に躍進した秘密が、肉球ふにふに効果によるものだと知る人は少ない。
ファンタジー
公開:19/06/20 06:00
更新:19/06/20 05:35
カリカリ町は猫びより 猫が乱入したのはホントです

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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