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「できたぞ!」
ラボから福田が飛び出して、一目散に駆け寄ってくる。
「煩いなぁ。どうせしょうもないやつだろ」
「そんな事言うなよ三ケ島。ついにできたんだよ、新型ねこまんまが!」
「ねこまんま、って……あのご飯に鰹節と醤油かけて食う、あれか?」
「それ以外に何がある。いいから食ってみろ」
差出されたのは銀色のスティック。
「はぁ?これがねこまんま?」
「いいから。四の五の言わずに食べてくれ」
仕方なく封を切ってスティックを口にする。ちゅう、と吸ってみると香ばしい鰹節と醤油の風味が口いっぱいに広がった。
「旨い…!」
「そうだろう?しかも良質のタンパク質に必須アミノ酸が普通より3倍も補えるんだ」
数年後。あの銀色のスティックは飛ぶように売れた。あのスティックを見るだけで、人は目の色が変わるようになった。僕はラボでおかかのおにぎりを食べながら、まるで猫の餌付けみたいだな、とぼんやり思っていた。
ラボから福田が飛び出して、一目散に駆け寄ってくる。
「煩いなぁ。どうせしょうもないやつだろ」
「そんな事言うなよ三ケ島。ついにできたんだよ、新型ねこまんまが!」
「ねこまんま、って……あのご飯に鰹節と醤油かけて食う、あれか?」
「それ以外に何がある。いいから食ってみろ」
差出されたのは銀色のスティック。
「はぁ?これがねこまんま?」
「いいから。四の五の言わずに食べてくれ」
仕方なく封を切ってスティックを口にする。ちゅう、と吸ってみると香ばしい鰹節と醤油の風味が口いっぱいに広がった。
「旨い…!」
「そうだろう?しかも良質のタンパク質に必須アミノ酸が普通より3倍も補えるんだ」
数年後。あの銀色のスティックは飛ぶように売れた。あのスティックを見るだけで、人は目の色が変わるようになった。僕はラボでおかかのおにぎりを食べながら、まるで猫の餌付けみたいだな、とぼんやり思っていた。
ファンタジー
公開:19/06/20 23:10
簓井 陸(ささらい りく)
気まぐれに文字を書いています。
ファンタジックな文章が好き。
400字の世界を旅したい、そういう人間の形をしたなにかです。
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