闇夜の怪盗

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「私はね、夜だけ生きているの。そう、まさに猫なのよ」
カウンターに座る僕にママは妖艶な流し目で言った。何軒目の店だろう。酔いに任せて入ったスナックで僕は人生を愚痴っていた。やりたくもない仕事、嫌な上司。ママの言葉は、昼間に無駄な人生を送る僕への慰めか、皮肉か。
「あなたも猫におなりなさい。生きたいように生きるの」
ママが僕にグッと顔を近づけた。ドキリとする。花のような香りが僕の鼻腔を擽り、クシャミをするように「はい」と答えた。

そろそろ夕暮れ。僕は大きく伸びをする。考え方を変えれば人生は変えられる。金など稼ぐ必要はない。闇を生きる決意さえあれば。
「この泥棒やろう!」
まずい。店主に待ち伏せされた。僕は這々の体で路地に逃げる。ニャーオ。振り向くと、ハンバーガーをゴミ箱から盗み出すのに失敗した僕をママが笑っていた。僕は天を仰ぎ、ニャーオと返す。嘆きではない。僕は胸一杯自由を吸い込んだ。
ファンタジー
公開:19/06/20 22:46

十六夜博士

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よろしくお願いします。

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