ネコリウム

7
31

猫が死に至る伝染病の原因と判明し、パンデミックを防ぐため、人類は猫を徹底的に駆除した。
その結果、伝染病の流行は収束したものの、猫の数は激減し、とうとう絶滅危惧種となり、天然記念物に指定された。
そこで人類は、鸛のように猫を一カ所に集めて繁殖させる施設「ネコリウム」を建設した。
人類は、遺伝子操作とクローン技術によって、ネコリウムに保護された猫の繁殖に成功した。
人工的に産み出されたクローン猫は、ネコリウムの中で瞬く間に数が増え、寿命も天然の猫より飛躍的に延びた。
年老いたクローン猫は、いつしか猫又となり、妖術を使って人類への復讐を目論むようになっていた。
そうとも知らず人類は、今日もネコリウムで猫の繁殖に勤しむ。
人類は近い将来、老獪な猫又たちの攻撃を受けるであろう。だが、それを自業自得といわれても仕方がない。
人類は、自然の摂理に従って猫との共生を考えるべきだったのだから。
ホラー
公開:19/06/18 20:45
更新:19/06/19 03:41

山田衆三( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容