才能が欲しい！

どんな世界にも天才って奴は存在する。どれだけ努力しても才能って壁だけは越えられない。
俺は今日もそんな才能を持った天才の背中を睨みつけた。
畜生！俺に才能があればお前なんて簡単に追い越してやるのに！
天才は振り返った。
「俺の才能が欲しい？ああいいよ。こんな物くれてやる」
俺は天才から才能を譲り受けた。
あとは楽勝だった。勝つことが当たり前になった。
やはりこの世は才能が全てだ！
俺はあっという間に天才を越えた。他の奴らと違うところを見せつけた。
ああ！才能があるってこんなに素晴らしいことだったんだな！
そんな俺から皆離れていった。
そりゃそうだ。俺は天才なんだ！凡人共とは違うんだ！
俺は努力することなく頂点に立つことが出来る！
そんな有頂天の俺に悲劇が訪れた。
交通事故に遭った。
こうなってしまえば才能なんて持っていても仕方がない。
才能によって傲慢になった俺は、才能以外の全てを失った。